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私たちが健康な生活を送るために病院や医療システムがあるように、細胞内のタンパク質が正しく機能するためには分子シャペロンが必須です。さらに、疾患ごとの専門医がいるように、シャペロンにもそれぞれの“専門”があり、複数のシャペロンがそれぞれ固有の機能を発揮することによって、新生タンパク質のフォールディング補助、失活した不良タンパク質の“治療”(再フォールディング)または分解などが行われます。翻訳されたタンパク質の大部分がシャペロンとの相互作用を介して成熟していき、シャペロン分子なしに細胞は生きていくことができません。 また、ガン細胞においてはシャペロンの発現量が異常に高まっていたり、反対にシャペロンの機能不全がアルツハイマー病、ALSなどの神経難病の要因となったりと、シャペロンは疾病との関連も深い生体分子の一つです。私たちは、このように多彩な機能を持つシャペロンに注目し、シャペロンがどうやって機能しているのか、そのメカニズムを分子レベルから解明することを目指した研究をしています。